No.69

●2025.8.13 4月〜8月初旬にみた作品

どこもお盆の空気が流れていて、穏やかだなあと思いながら毎日仕事に行ってます。

・2025.4.8 ジャングル大帝(アニメ映画再上映)
滑り込みセーフで見てきた!動いてるパンジャもレオもかっこよすぎて、終始きゃーってなってた🥹色彩綺麗ですごい……。予想どおりだけど、内容がずいぶん違って、当時のアニメの捉えられ方、教育的な内容を含めなくては世間に受け入れられない圧のようなものを感じた。漫画のほうはパンジャとレオも切ない運命をたどるんだけど、その過程やきっかけが全然違くて、それぞれの生き様を見せていただいた。
映像で手塚先生のインタビュー初めて観たかも〜貴重だった。

・2025.5.24 鬼滅の刃 無限列車編
この作品がコロナ禍で歴代最高収入を突破したのか、なんとなく感じとれる。絶対的な存在、責任を背負う気概、失うことへの覚悟、自らを犠牲にできる潔さ……。エンディングの「炎」はめちゃくちゃ染みました。

・2024.8〜2025.7 百年の孤独
万博のコロンビア館は百年の孤独モチーフで、世界観に浸れました。
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2024年の文庫化のときに買って、それからほぼ1年近く読んでいました。読み終わった後はしばらく読了感に浸っていて、しばらく魂がマコンドにいた。
率直に、長かった。でも不思議で楽しい旅だった。最後の100ページは駆け抜けられました。
この作品をいろんな言葉で例えているのを見かけたけど、「フラクタル構造」と「千夜一夜物語」がしっくりきました。小さな逸話がマジックのように矢継ぎ早にでてくる感じ。
そして、百年の孤独の文体は、私達を傍観者に仕立て上げるという印象を受けた。だから、当事者にさせない、感情移入させない。例えば(これら漫画だけど)鬼滅の刃の煉獄さんが死ぬ展開は、感情移入させる演出だし、まるで彼が目の前で消えたかのような感覚を覚える。けれど、百年の孤独はそういうことはない。事実が淡々と積み上がっているさまを文字で追うのみで、登場人物の死すら傍観しかさせない。その傍観がラストでカタルシスに浄化していったのが、本当に清々しく美しかった。

この作品をおすすめしたい人は、文体と世界観に抵抗感がないことが前提として、「血統に引き継がれる運命」「異能という特殊性による孤独」「真実の愛ほど叶わない」「人間組織の創成と衰退」みたいなテーマが好きな人。私は2つ目と4つ目が特に刺さった。それらの中に、「愛は孤独からの解放してくれるのか?」という問いが根底に流れているはず。愛の暴力性、過剰な愛は人を幸せにするのか……みたいなもの。

印象に残ってるシーンはたくさんたくさんあるんだけど(印象に残ったシーン)、5つ選ぶなら
・アウレリャノ・ブエンディア大佐の予知能力喪失。(P199「実はこれ以降、彼は予感に見放されていた。」)
・王の埋葬(P221「王様の埋葬に立ち会うためだ」」)
・黄色い汽車の訪れ(p346「多くの不安や安堵を、喜びごとや不幸を、変化や災いや昔を懐かしむ気分などがマコンドに運びこむことになる、無心の、黄色い汽車が。」)
・小町娘レメディオスの昇天
・ラストシーン
が思い浮かびました。
元々百年の孤独の前知識が「少女がシーツを手に持ちながら空中に浮かんで戻ってこないシーンがある小説」だったので、そのレメディオスの昇天はこれか〜と感動しました。マジック・リアリズムの象徴のようなシーンですがいざ読んでみると、彼女は地上にいても本当の意味では誰からも愛されない、幸せになれないから空に浮かんでいったんだろうな、と妙に納得した気持ちになりました。
不思議さと人の血が脈々と引き継がれている小説でした。

・2025.8 ARMS
百年の孤独を読み終わって、魂がマコンドにいる私を現実にグッと戻してくれた作品。
おもしろすぎない???!!!????るら))!!、!??????おもしろすぎて3日で爆速で読んだ。
私の中で、少年漫画ベスト20にはロケットのように急浮上した。
展開がすべておもしろくて、漫画がうますきて、なによりまとめが美しかった。美しくて本当に余地がない。漫画に情報がすべて理路整然とつまっていて、すべてが正しく伝わってくる。それと同時に、今の漫画って情報過多なんだな、SNSでの拡散が前提とされていてもう情報過多なほうが主流なんだろうな〜、と思った。それが決して悪いことでないんだけど、ARMSは過不足ない情報が正しく伝わってくる漫画だったので、そのあまりの美しさに終始心がどきどきしていました。そういう漫画って読んでてまったく疲れないのね。素晴らしかった。
新宮隼人くんは少年漫画には絶対的に必要な存在だよな……と思わせるほど、魅力的で力強かった。
萌えで言うと、「インテリだけどイキってるショタ」枠も好きなので、アル・ボーエンくんにずっと萌えていた!最後の最後までイキり散らかしてて、いいぞ〜!とうちわ持ちたくなった。
ユーゴーはどこまでも透き通った存在だったね……。

・2025.8 ─能・狂言─日出処の天子
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好きなエンタメ作品が思わぬメディアミックスになることは今の時代珍しくはないけれど、能・狂言は私が触れたことないのもあってびっくりした。けれど、次の瞬間納得した。むしろ合ってるのかも……好きな作品で能・狂言デビューできるならむしろありがたいかも。そんなことを思いながら、GINZA SIXの地下にある観世能楽堂に向かいました。
よかったです。今年見た、エンタメ作品の中で一番よかった。ストーリーだけ追うと、うえし先生もびっくりなくらい端折りに端折りにまくっている、「名シーンダイジェスト」だったのですが、この舞台の価値はそこにはない。各場面に魂が込められているようで、見るたびに震えました。それを野村萬斎さんは「象徴化」という言葉で表していて、美しい舞台化だなと思いました。プロジェクションマッピングも使われてていたのですが、その使い方がとても上手で能・狂言の魅力を引き立てていて、好きだった。

原作のシーンだと雨乞いの部分(柱に寄りかかって毛人を見る王子かわいすぎた、ふたりの幻想と交わりをプロジェクションマッピングで描くのすごい〜)と、なによりラストがよかった。野村萬斎さんが「無駄な事とわかっていてそれでもわたしは生きていく」と光を浴びながらセリフを言う姿は、まさしく「象徴化」で、心に留めておきたい、美しい景色だった。

感想